最近、50歳前後の人が、なにかと話題になる。まず、新型コロナウイルスの感染だが、重症者が50歳前後の人に多いという。高齢ではないので、ワクチンを打っていないし、感染すると若者のように軽くはすまない場合が多い。大変である。
 45歳定年説というのも話題なっているそうである。サントリーの社長さんが言い出した。ちゃんと調べてないのだが、45歳ぐらいで転職しなさいということらしい。人材の流動性を高める狙いがあるとのことだが、転職の受け皿がたくさんあればいいけれど、そうでなければ、とてもきつい。
 昔は、多くの会社の定年は55歳だった。55歳定年だと、50歳になるとゴールが見えてくる。今は、人生100年の時代だ。50歳は、折り返し点で、これからも頑張らねばならないから、大変である。
 私が、浜松から東京に転勤したのが、50歳をちょっと過ぎたころだった。浜松では、自分で実験していたが、老眼になり、自分で実験がしにくくなってきた。おまけに、研究のアイディアも、枯渇してきたのが、自分でもわかった。
 東京の大学に移ってからは、実験もせず、研究上の成果はさっぱりあがらなかった。その代わり、本を書くようになった。これは堕落だな。
 もちろん、50歳を過ぎても、立派な研究をされる方はたくさんおられる。80歳を過ぎても現役の方もおられる。でも、多くの研究者にとっても、50歳は曲がり角かも知れない。
 フランスのユゴーという詩人は「40歳は青年の老年期であり、50歳は老年の青春期である」といった。彼は19世紀の人だが、この言葉は、今の時代にもあてはまりそうである。。