私ももうすぐ90歳で、いろいろ共感するところがあった。しかし、考えてみると、佐藤愛子さんはベスト・セラー作家。私は小説を書いたことがあるけれど、全然売れなかった。天と地ほどの差がある。
その上、生まれも育ちも違う。共通点は高齢であることだけ。
佐藤さんの父親は小説家で俳人の佐藤紅緑。兄はサトウ・ハチロウ。すごいDNAを持っている。「戦いすんで日が暮れて」で直木賞を受賞。家庭を舞台にユーモラスな筆致で男性批判を行ういわゆる「猛妻物」に本領を発揮したと辞典に書いてある。
映画「90歳。何がめでたい」では、設定は亥年生まれの90歳になっている。私も亥年だ。「亥年は猪突猛進」という言葉が映画の中に出てくるが、私にはそんな元気はない。
ちなみに、昔勤めていた大学に、佐藤愛子という同姓同名の先生がいたのを思い出した。あの先生もしっかりした女性だったなあ。