認知機能の低下を簡単に調べる方法に、長谷川式簡易知能評価スケールがある。
これを考え出したのは、長谷川和夫先生という精神科医で、もうずいぶん昔のことらしい。長谷川先生は1929年生まれというから、90歳を超えておられる。そして、最近になって自分も認知症になったと告白されて、話題になったという。
昔から、お医者さんは自分が専門の病気にかかってしまうというハナシがある。例えば多くの癌の専門医は癌で亡くなっているとか。それでは「男性の産婦人科医はどうか」といった言った人がいる。
かみさんの物忘れがひどくなって、息子がかみさんをお医者さんに連れて行った。そこで、長谷川式のテストを受けたと息子が報告した。点数は知らないが、やはり記憶力が落ちているという。
そこである本(かなり古い本だが)を引っ張り出して、長谷川式テストがどんなものか調べてみた。
被験者に10ぐらいの質問をするらしい。
「あなたの姓名は」から始まって、「今日は何日ですか」「ここはどこですか」「何歳ですか」と質問が続く。
今日は何日かなんて、私は答えられない。カレンダーを見ないとダメだ。
「大東亜戦争が終わったのはいつですか」という質問もある。本当に今でもこんな質問をするのだろうか。だって、終戦の年に生まれた人も、もう後期高齢者だから、戦争を知らない子供たちの中にも、認知症になる人がたくさんいると思う。
「1年は何日ですか」という質問もある。この質問にある老人は「答えられない」といったそうだ。さて認知症かと思ったら、「うるう年があるから、簡単には答えられない」と老人は説明したので、お医者さんの方が参ってしまったという。アハハ。