先日、みずほ銀行のATMに大きなトラブルが発生したことをニュースで知った。ATMにいれた通帳やキャッシュカードが、戻ってこなくなったのだそうだ。ATMを使っていた人はさぞ、驚き当惑したことだろう。
むかしは、銀行の係りの人が自宅や職場にしょっちゅう現れて、預金の預けおろしなどいろいろなサービスをしてくれた。通帳なんか預けっぱなしだったこともある。
それが、いつのまにか来なくなって、お金の預けおろしはATMとかいう機械に変わってしまった。あれも当初はイヤだった。やりかたがよくわからない。混んでいて、後ろに人が何人も並ばれると、焦ってますますわからなくなる。
暗証番号もいやだった。たいていの人は、忘れないために、生年月日や電話番号をつかった。しかしのちに、それはダメということになった。悪人にすぐにバレて、使われてしまうというのだ。
今は、銀行のキャッシュカードの他にも、必要な暗証番号やパスワードがやまほどある。もちろん覚えきれないからどこかにメモする。そしてどこにメモをしたか忘れてしまう。
それが、銀行はあのATMでさえ減らそうというらしい。デジタルにしようというのだ。
これは老人にはとても無理だなあ。
つい最近、パソコンで、大手の通販業者にあるものを注文した。注文の途中で、「システム障害がおこりました」という表示が出て、ストップしてしまった。そのあと、どうすればよいのかぜんぜんわからない。注文をしなおすのか、もう注文は成立したのか、いつまで待てばよいのかわからない。困ってしまった。たった650円のモノで、この始末である。
これが銀行相手で、大きなお金だったら、どうしよう。
銀行にもいろいろな事情、言い分があるだろう。しかし、たくさんある銀行のなかには、ひとつぐらいクラシカルなサービスをする銀行があってほしい。そうしたら、私は、わずかだけれど、お金を全部預けますよ。