「野望の階段」はアメリカのテレビドラマである。原題は「House of cards」で、私はこっちのタイトルの方が、しゃれていていいと思う。
政治の世界は、どの国でも、どろどろしたものだと思うが、このドラマはアメリカの政治の世界のどろどろを描いたもので、そのどろどろさは、尋常ではない。権謀術数の極みである。
主演はケヴィン・スペイシ―。はじめは下院議員だったが、ホワイトハウス入りを目指して、活動する。
目的達成のためには、手段を択ばない。何でもする。ウソの情報を流す。コールガールを使って、相手を陥れる。果ては、腹心の部下を使って、邪魔な人間を殺してしまう。
そして、下院議員から副大統領、そして大統領へと野望の階段をのぼっていくのである。
奥さんもすごい。夫よりもっとすごいといえる。目的達成のためには手段を択ばないところは夫婦共通している。夫婦が共通の価値観を持っているのは、ちょっとうらやましい。
はじめはキャリアーウーマンだったのだが、やがて政治の世界に足を突っ込む。夫を大統領にさせると、自分は副大統領になる。
そして、夫の跡を継いで、大統領になる。すごい女性だ。
この話自体もすごいが、こんなドラマを作ってしまうアメリカという国もすごい思う。だって、自国のリーダーの大統領を、こんな形でドラマにしてしまうのだ。
いま、私が見はじめた政治ドラマは、「アルファ・ハウス」という、これもアメリカのテレビドラマである。これは野望の階段とはちがって、コメディーである。軽いタッチのものだが、それでも、いろいろ出てくる。4人の上院議員が、宿舎で共同生活をしているのだが、彼らの頭にあるのは、良い政治をしようということではなくて、次の選挙で、いかにして競争相手に勝つかだけである。そのためにはやっぱり、なんでもやる。
日本の政治家さんも、似たようなものかと思ってしまうが、どうだろう。
政治家をあげつらい、からかうドラマは面白い。でも面白いとばかりも言ってもいられない。
彼らを選んだのは私たちだし、影響を受けるのも私たちだ。