昨日、足の爪を切った。自分で切った。
年をとると足の爪を切るのが、大変である。自分で、自分の足の爪を切ることができるかどうかは、老化の目安のひとつだそうだ。実際、かみさんが要介護の申請をしたとき、調査員の質問の中に、その項目があった。
年をとると、体が硬くなる。腰も足も曲がりにくくなって、手が足の先まで届かなくなる。手も指も器用に動かせなくなる。眼もダメになって、足の先がよく見えない。足先は、老眼鏡をかけて見るには遠すぎるし、ふつうの眼鏡では近すぎるという、微妙な距離にある。
それに長年、靴を履いてきたせいか、足の指は変形し、爪もまた、変な形なっている。これも、爪を切る障害になる。
まあ、若い人にはこの苦労はわからないだろう。
さて、私の足の爪は、水虫になっている。右足だけではあるが。爪は厚くなって、濁っている。別に痛くも、かゆくもないので、そのまま放置してある。
この厚くなった爪を見て、考えた。なぜ爪が厚くなるのだろうか。水虫の菌が、爪をつくる細胞に作用しているのだろう。爪の主成分はケラチンというタンパク質だが、水虫の菌が、ケラチンの合成を促す物質をつくっているのだろう。
爪は厚すぎても困るが、爪が薄くて困っている人もいる。爪が薄すぎると割れてしまう。水虫のつくるケラチン合成促進物質が、そんな人の助けになるのではないかなあ。もう誰かが研究しているだろうなあ。
足の爪を切り終わった後、しばらくボーと、考えていた。
とにかく、今回は自力で、足の爪を切った。いつまで、切れるかなあ。
天の声「そう自慢するほどのことでもない」