ラジオを聞いていたら、芸能界で誤字・誤植が話題になっているという話だった。有名な歌手(達)の歌で、「運命の彼氏(ひと)」というところを、「運命(ひと)の彼氏」と間違えて印刷してしまったという。
そうしたら、コメンテーターとして出演していた森永卓郎さんが、「もっとひどい誤植を知っている」と言い出した。「与謝野晶子さんの文章で、『お腹を痛めて産んだ子』というところを『お股を痛めて産んだ子』と印刷されてしまった」そうだ。森永さんらしいコメント。
そんな話を聞いていたら、大昔、ある科学書を翻訳する時にやらかした間違いを思い出した。これは誤植ではなくて誤訳の話だけれど。
sperm whale はマッコウクジラなのに、クジラの精子と訳してしまった。pipelineをピリジンやピぺリジンの仲間の化合物だと思って、ピぺリンと訳してしまったが、本当はパイプラインのことだった・・・
大昔、私が学生の時、分析化学の試験で「教科書の誤植を探せ」というのが試験問題だったことがあった。飄々とした先生で、あんなふうになりたいと思った。