蚊に刺されやすい人と、刺されにくい人がいる。かみさんと私では、私がよく刺される。私の血なんか、ちっともおいしくないと思うのだけれど。
 どんな人が蚊に刺されやすいかを、研究している人たちがいる。蚊は、二酸化炭素や体温を察知して、やってくる。つまり、体温の高い人や、激しく呼吸をして二酸化炭素をたくさん吐き出す人が狙われるそうだ。
 赤ちゃんや酔っ払いが蚊に刺されやすいのは、体温が高いからだろう。冷血漢は、刺されにくいことになる。
 蚊に刺されやすいかどうか、血液型も関係があるという。ヒトスジシマカ(いわゆるヤブカ)を使って、62人の人の腕に止まる数を調べたところ、刺されやすさは、O型、B型、AB型、A型の順であった。O型はA型のおよそ1.7倍刺されやすいそうだ。血液型に由来する物質が体表に分泌されていて、それが蚊の行動に影響を与える可能性があるというのが、これを調べた先生の意見である。
 蚊は、けっこう利口な動物で、たたかれそうになったら、その人の臭いを覚えて、もう近寄らないそうだ。だから、蚊に刺されたくなかったら、空振りでもいいから、たたけばいいのだという。
 昔、人のあまり行かない山を友人たちと登ったら、むちゃくちゃ蚊に刺されたことがあった。多分、普段は人に出会わないから、ご馳走が来たと思って、喜んでやってきたのだろう。
 刺すのはメスの蚊で、血を吸うのは、産卵のために必要な栄養補給だと聞いたことがある。そうだとすると、あんな山の中では、めったに人に出会えないから、血が吸えず、産卵が困難なこともあるのかなあ。もしも、人に全然出会えなければどうするのだろう。ほかの動物、たとえばサルでも刺すのだろうか。毛がたくさんあるから、難しいだろうなあ。
 蚊も、生きるのが大変だ。
 天の声「蚊も人間も同じだ」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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