先日、ヤフー・ニュースに、膠原病についての最新の研究成果の記事があった。
膠原病は皮膚や関節、筋などの結合組織に炎症が発生する病気の総称である。英語ではcollagen disease、つまり膠原とはコラーゲンのこと。辞書をひくと、コラーゲン collagen の語源は、にかわ(colla)のもと(gen)だそうで、膠原はコラーゲンのぴったりの訳語だ。発音まで似ている。
膠原病と聞くとコラーゲンの病気のように思えるが、そうでなくて自己免疫疾患であることがわかっている。しかし、発症原因はわからない。それがこの度、東北大学の研究グループよって、皮膚の細菌が発症にかかわっていることが明らかになったというのだ。
大昔、私がまだ現役の頃、厚生省の難病研究の研究班の一つとして、「膠原病」の研究班が出来て、私も参加した。とはいっても、私は病気のことは何も知らない。出来ることといえば、コラーゲンの架橋を測るだけ。それでも、私は班員にしていただいた。そしてはじめに、班長である臨床の先生が、この病気について長いレクチャーをしてくれたが、よくわからなかった。
しかし、膠原病の発症現因が皮膚の細菌とは、当時誰も思っていなかったのは確かだ。今回の東北大のグループの研究によると、代表的な膠原病の「全身性エリテマトーデス」は、肌荒れや湿疹によって黄色ブドウ球菌が増殖すると皮膚の白血球が活性化され、その結果サイトカインがつくられて、炎症が引き起こされて発症するのだそうだ。
予防の一つとして、スキンケアが大事とのこと。