昔、脳の細胞について勉強した時には、教科書には次のような説明があった。「脳の細胞には2種類ある。神経細胞とグリア細胞である。神経細胞は数の上では少数だが、機能的には重要で、興奮の伝達をする。グリア細胞は神経細胞の生存を助けている」
 つまり、グリア細胞は情報の伝達や処理にはかかわっていないとされていた。
 ところが、先日ヤフーニュースを見ていたら、「グリア細胞はシナプスを食べ、記憶を支える」という記事が出ていた。
 これまでは情報処理にかかわらないと考えられていたグリア細胞が、記憶の定着にかかわっていることがわかったというのだ。
 神経細胞と神経細胞の継ぎ目はシナプスと呼ばれている。シナプスで情報の伝達が行われる。つまり、とても重要な場所だ。
 記憶はシナプスの接続と信号伝達によるのだが、接続が絶たれたり、不要な伝達が弱められたりすることもある。それはグリア細胞が、周囲のシナプスや神経細胞の一部を食べるからだというのだが、これが重要らしい。
 マウスの実験では、グリア細胞がシナプスを食べるのを妨げると、学習ができなくなってしまった。またある種の疾患では、シナプスの異常な消失が起こるが、グリア細胞の働きの異常と関係ありそうだという。
 日々、学問は進歩しているのだなあ。
 天の声「あたりまえだ」