「老後の資金が足りません!」と天海祐希さんが叫んでいるCMをよく目にする。私は、この映画がどんな内容のものか知らないが、「老後の資金が足りない」という言葉に共感を覚える人は多いと思う。
歳をとると、体がいうことをきかなくなる。かろうじて自立は出来ているが、先が心配だ。子供と同居というわけにはいかない。こんな人が、まず考えるのは、老人ホームへの入居である。公的な老人ホームもあるが、入るのは制約があって難しい。そうすると、民間の、たとえばサービス付き高齢者向け住宅ということになる。
これに入るには、お金が要る。まとまった入居金がいるところもあるし、そうでなくても、月づき、かなりお金がかかる。それで、「老後のお金が足りません」と叫びたくなる。
サービス付き高齢者向け住宅にお世話になっている私が言うのもなんだが、実はたいしたことをしてくれない。要は、見張りをしてくれるだけである。毎朝点呼がある。外出時と帰宅時には届を出す。入浴も知らせる。もしも、なにかあればホームは、すぐに保護者に知らせてくれる。
しかし、もしなにかあっても、救急車を呼んでくれるけれど、同乗はしてくれない。あとは保護者の責任。頼めばやってくれるが、有料。
これくらいのことなら、ちょっとシステムをつくれば、出来る。そうすれば、高齢者が在宅で暮らすことが可能になると思う。一人暮らしの老人宅を見まわる人と緊急連絡の受け手になる人がいればいい。政府や地方自治体にやる気があれば、それらをつくるぐらいできると思う。いまの民生委員を拡充し、もっと活用してもいいかもしれない。
生活の手助けは、要介護の認定を受けて、自宅にヘルパーさんに来てもらう。
そうすれば、「老後の資金が足りません」と叫ばなくてもよくなるのではないか。
天の声「今日はまじめだな」