老人ホーム、いや正確にはサービス付き高齢者向け住宅「ポムポム川の辺」に冬に入居して、春、夏を過ごし、いま秋になった。エアコンのおかげで、冬は暖かいし、夏は涼しい。昔住んでいた、古い日本家屋とは、大違いで、快適である。
着るものも変わった。以前は、冬は長そで、夏は半そでの下着を着ていたのだが、今は冬も夏も半そでだ。それも、薄いものがいい。靴下もそうだ。
かみさんが同じカーディガンをずっと着ていると、介護士さんが心配して私にいいつけに来た。認知症になると、往々にして、そういうことをするらしい。かみさんは物忘れの要介護1だから、観察してくれているようだ。
私がかみさんにいうと、それ以来神経質になりだした。自分の衣服だけでなく、私のポロシャツまで、「同じものを着てはいけない」という。「似た色のものだけれど、ちゃんと取り換えている」と言っても、聞き入れない。
この間、洗濯室・浴室で、あるおじいさんが、上半身裸で、ウロウロしていた。多分お風呂に入ろうとして、なにか忘れ物を取りに部屋にもどろうとしたのかなと思う。あるおばあさんが、目ざとく見つけて、事務室に通報した。
私は、ちょっと同情した。男なら、誰でもやりかねない。気をつけないといけない。「夕涼み、よくぞ男に生まれけり」というのは、むかしの事なんだ。
天の声「そうだよ」