今、私は老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)に住んでいる。ここの事務局が向き合うのは、私ではなくて、保証人である私の息子である。何かあれば、息子に連絡する。私の立ち位置は、今度は「○○さんの父親」ということになった。
 そして、「○○さんの父親」として、死んでいくだろう。
 大変ありがたい、幸せなことだと思っている。
 でも、このような私の一生をふり返ると、私のアイデンティティは何だろうと思ってしまう。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

2件のコメント

  1. 社会の中で役割、繋がりをずっと保持されてきたということはほんとうにすばらしいことです。特に身近なご家族が社会的に認められて兎にも角にも仲良くされてきたことは、博士も仰っておられましたが、羨ましいほど幸せなことだと思いました。
    あの!これだけ業績のある!コラーゲン博士が「アイデンティティ」とか!!小説家でもいらっしゃるし。

    fj
  2. かえって浅学な様を露呈するようでお恥ずかしいですが、私にとっては相対的な(?)藤本先生はいらっしゃらず、コラーゲン博士である藤本先生が唯一無二の”藤本先生”です。
    それに、お父様の若き日のリベンジを果たすには、化学を専攻なさったコラーゲン博士の藤本先生が不可欠でした。

    それにしても、この「アイデンティティ」編、たいへん興味深く拝読しました。

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