先日、石原慎太郎さんが亡くなられた。
石原慎太郎さんと弟の裕次郎さんは、私よりちょっと年上である。私が大学生の頃に、二人は有名になった。慎太郎さんが学生の時書いた小説「太陽の季節」が芥川賞を取り、戦後世代を描いた内容が衝撃的だとすごく話題になった。太陽の季節は映画化され、弟の裕次郎さんが俳優としてデビューした。
二人とも美男子で、背が高い。裕福な家で育った。湘南の明るい海岸で、冷えたビールを飲んでいるイメージだ。
私はといえば、貧乏学生で、うす暗い学生食堂で「肉なしラーメン」をすすっていた。だから、石原慎太郎さんにあこがれを持つよりも、ジェラシーを感じていた。
太陽の季節はもちろん読んだ。有名な「障子紙を突き破る」場面よりも、主人公の青年が父親の腹を殴るシーンの方が、私には衝撃的だった。ハードボイルドだなあと思った。
その後、石原慎太郎さんは政治家になった。かなり保守的な主張をしていた。また、いろいろ物議を醸す発言をした。とにかく目立つ存在だった。
目立つというのは、立派な才能だと思う。石原慎太郎さんは、生まれつきその才能に恵まれ、一生目立つ存在だった。やっぱりすごい人だ。
ご冥福をお祈りします。