秋が深まり、カエデなどの木々の葉が赤や黄に色づいてきた。柿の実も赤い。「白秋」という言葉がある。秋に割り当てられた色は白だそうだが、私には赤のように思える。色づく秋だもの。
「一日千秋の思い」という言葉がある。この場合、秋は歳月という意味だそうだ。「春秋」という言葉も、年月のことを言っている。
古典和歌の世界では、秋は「飽き」にかけて使う。例えば、古今集には
わが袖にまだき時雨の降りぬるは君の心にあきや来ぬらむ
でも、こんな使い方はちょっといやだなあ。
一方、俳句には、何気なく秋を詠んだ句が多い。歳時記に次のような句があった。
ふところに或る朝秋がはいっていた 藤後左右
ふと横に秋が来ている日曜日 堀井君子
ああ、その通りだと思った。そういえば今日は日曜日だ・・・