体の損傷などの明らかな原因が無くても、痛みを長く感ずることがある。脳の神経回路が原因の痛みで、学会はこれを「痛覚変調性疼痛」と呼ぶことにきめたそうだ。
 従来、痛みには二つのタイプがあるとされてきた。一つは、怪我や炎症で組織が傷つき、痛みの信号が出て起こる痛み。もう一つは、事故などで神経が損傷しておこる痛みである。しかし、どちらにも当てはまらない痛みに苦しんでいる人もいる。痛みを感ずる場所を調べても異常が見つからない。
 その痛みの仕組みがわかってきた。様々な要因で、脊髄から脳にかけた痛みを生み出す神経回路が変化し、痛みが生ずるのだという。
 ピリピリ、ジンジン、チクチクした痛みで、長く続く。痛みへの恐怖、不安、怒り、ストレスなどが大きく関係している。
 痛み止めは効かない。その代わり抗うつ剤が効果があるという。
 私も、この種の痛みを抱えている。顎のあたりが、長いこと、ジンジン痛い。足もジンジン痛い。しかし、問題は、痛覚変調性疼痛ときめるためには、他に痛みの原因がないことを証明しなければならないことである。
 顎が痛いのは、ふつうは歯の問題だと考える。私も歯医者さんに長く通った。歯を抜かれたり、歯周の治療をしたりした。それでも治らない。そうしたら、先生は、虫歯に詰めたものを全部はがしてやり直すというので、たまらず逃げ出してしまった。
 考えられる原因を全部調べ消去して、はじめて「痛覚変調性疼痛」と診断されるわけだが、それは大変だ。病名を学会が定めてくれたのはいいけれど、なにかよい診断法はないのだろうか。
 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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