アメリカの火星探査機「キュリオシティ」が、「地球上であれば生命の証拠とみなされる炭素を含む岩石を発見した」というので話題になっている。今年はじめの学術雑誌に論文が発表された。
キュリオシティが複数の岩石のサンプルの炭素同位体比を調べたところ、その比が極端に偏っていたという。この比は、地球では、オーストラリアで見つかった27億年前の地層と似ていた。この地層には、メタンを消費する微生物の痕跡が含まれている。
研究者は本当に古代微生物に由来する可能性の他に、大昔に太陽系が特異な炭素同位体比を持つ星雲の間を通過して、その痕跡が残っている可能性などを考えているそうだ。つまり、まだ結論は出ていない。
別の探査機「パーシビアランス」は、ある火星のクレーターが、広い範囲に紫色の物質でおおわれているのを見つけた。これは地球の砂漠で、微生物が存在する岩の表面に見られるものとよく似ているという。
このようにいろいろと見つかってきたけれども、研究者はまだ火星に生命が存在したと結論づけるまでには至っていないようだ。
決め手は、火星の一部を地球に持ち帰り、研究室で最新鋭の機器で調べることだそうだが、それも慎重にやらねばないという。かつて南極で火星から飛来したと思われる隕石が発見され、そこに微生物の化石らしいものが見つかって話題になった。しかし、それは生命なしの化学反応によるものであることが、最近分かったそうである。
私は大規模科学プロジェクトが好きでないが、火星の話はやっぱり面白い。わくわくする。