ラジオを聞いていたら、イスラエル在住の日本人女性が話をされていた。先日、イスラエルで「瀕死の王」という演劇が上演されて、大騒ぎになったそうだ。「瀕死の王」が、メタニヤフ首相のことではないかというので議論になった。
「瀕死の王」というのは、ウジェーヌ・イヨネスコという人の書いた戯曲である。主人公はベランジェ1世という年寄りの王様。王様は死を目前にしているのだが、自分の死を現実として受け入れようとしない。この老王と二人の妃を軸に、人間の悲劇性を笑いをまぶして描く不条理演劇だそうだ。
不条理演劇なんて難しそう。
権力者はみんなそうだろう。権力の座を失いたくないから、目前の死を認めない。
いや、権力のない人間だってそうだ。私は権力がないけれど、目前にある死を受け入れられていない。というのは「終活」をしていない。
私のいる老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)でも、「終活」についての講演会が近くあるようだ。でも、聞きに行く気がおこらない。