正月には女性は晴れ着を着る。街には晴れ着姿の女性が大勢いるのだろうけれど、老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)にいる私にはわからない。私は外を出歩かないし、老人ホームの中の介護士さんは、普段と同じ作業服だ。当たり前だ。お正月も作業をしなければならないのだから。もちろん交代で休みをとるのだろうけれど。
そこで、俳句の本を見て、正月の句を探して見た。
漆黒の髪の子に来しお正月 水野一風子
満月と正月の山遊びけり 北見弟花
戦争を知らぬ子多きお正月 湊孤舟
正月の猫かがやけり溝を飛び 小田慎次
お正月の休みが過ぎると、仕事始めになる。仕事始めの句もある。
帯みたいな路地から舞妓 事始 池田政子
何もせず座りて仕事始めかな 清水基吉
紺足袋の底の真白し初仕事 武田克美
天の声「正月早々、俳句でごまかしたな」