あるラジオ番組で、「欲しいもの」を話題にしていた。昭和30年代には、みんなが欲しがる「3種の神器」というのがあった。白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機だ。それから、しばらくして、みんなが欲しがるものは、「3C 」に変わった。カラーテレビ、カー、クーラーの3Cである。
では、今、みんなが欲しがる物はなにか? ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機、食器洗浄乾燥機だそうである。私のうちには、どれもない。私は欲しいとはあまり思わない。かみさんが欲しいかどうかは知らないけれど。
私が欲しいのは何か? 簡単な操作で、いつも私の思う通り動いてくれるパソコンが欲しい。しかし、考えてみると、パソコンで苦労するのは、機器のせいではなくて、使い手、つまり私の技量の問題だ。わかっている。
足や腰が痛いので、マッサージの機械が欲しい。でもこれも考えてみると、昔から多くの家庭で、使われていないマッサージ機が置いてあるのを見かけた。かみさんの実家もそうだった。大きなマッサージ機能の付いたソファが置いてあった。誰も使おうとしない。埃をかぶっていた。邪魔なだけ。
買ったときは、みんなが使うが、やがて使わなくなる。
今のマッサージ機は、昔よりもずっと進歩して、使い勝手もよくなっていると思うけれど、やっぱり買いたいとは思わない。
そうすると、差し当たって欲しいものがない。元気とか若さとか健康とか、お金で買えないものは別として。
天の声「欲しいものがないとは幸せじゃないか」
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