老人ホーム「ポムポム川の辺」に入居してから、日用品を買ってくるのは、私の役目になった。散歩に行ったついでに、コンビニに寄ったり、ドラッグストアに寄ったりしている。
 いろいろなことがわかった。まず、石鹸の類。昔は、固形の石鹸しかなかった。それで、何でも洗った。
それが、今は、手を洗うハンドソープ、体を洗うボディーシャンプー、顔を洗うシャンプー、髪を洗うシャ ンプーなどと専門化している。成分がどう違うのか、私にはわからない。
 そのほか、食器洗いの洗剤、衣服の洗濯用の洗剤もある。トイレの洗剤も必要だ。いやはや、洗剤だけでも、そろえたり、補充したりするのが大変である。
 しょっちゅう、無くなってしまうのがラップ類である。かみさんは、ラップをめちゃくちゃ使う。電子レンジでチンする時にも、冷蔵庫にしまうときにも使う。おまけに、ラップは、途中でうまくはがれなくなる。そうなると、もう駄目だ。だから、なるべく短いものを買うことにしている。メーカーさん、うまくはがれて、全部使いきれるように作ってください。
 ゴミを捨てるのに使う袋も必要である。昔住んでいた家では、ごみを捨てる袋は何でもよかった。しかし、「ポムポム川の辺」では、ごみの種類によって、色分けされた袋がある。それを買ってきて、使わなければいけない。
 一般的なゴミは、「燃やせるゴミ」と大きな字が印刷されている黄色の袋に入れる。燃やせないゴミは、やはり大きな字が印刷されている、緑色の袋に入れることになっている。
 この間、街を散歩していたら、路上にゴミの袋が置いてあった。「やせるゴミ」という字が見えた。えっ、「やせるゴミ?」 買ったけれど使っていないダイエット器具でも捨てたのかな。実は、袋の「燃やせるゴミ」が、一部かくれていて、「やせるゴミ」に見えたのだ。 
 別の日には「燃やせないゴミ」があった。一部が隠れると「やせないゴミ」だ。買いすぎたジャンク・フードを捨てた? 
 笑ってしまった。
 天の声「そんなに可笑しいか」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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