老人ホーム「ポムポム川の辺」に引っ越してから3か月になる。ずいぶんホームの生活に慣れてはきたけれど、困っていることもたくさんある。その原因は、引っ越しの時に置いてきてしまったもの、持ってくるのを忘れたものがいっぱいあることだ。
かみさんは、いまでも毎日探し物をしては、「あれがない。これもない」と嘆いている。
たとえば、私のものでいうと、背広は何着も持ってきたが、ワイシャツは1枚もない。まあ、外出しないからいいけれど。下着もズボン下はいっぱいあるのに、パンツは2枚しかない。長袖のシャツはたくさんあるが半袖のものはない、といった調子である。
季節が変わると、困ってしまう。
アルバムや写真の類は全部置いてきてしまった。「あんたが死んだとき遺影をどうするのか」とかみさんはいう。
あれもない。これも持ってきてない。
引っ越しの時は、入居の手続きなどの仕事と引っ越し荷物の選別と荷造りで、めちゃくちゃ大変だったので、これも仕方がないと思う。今思い出しても、大変だった。もう2度とやりたくない。
古い我が家に置いてきたたくさんのものは、息子が業者に頼んですべて片づけ、捨ててもらった。もう取りに行くことはできない。
私の本も文献もほとんどすべて捨ててきてしまった。もう、研究もしないし、論文も本も雑文も書くことはないだろうと思ったからだ。
ところが、いま老人ホームでブログを書いている。専門的なことは書かないことにしているが、それでも“正確”を期するために、本や文献を見たくなる。それができない。
というわけで、もしもブログに間違いや不正確は記述があれば、引っ越しの後遺症のせいであります。勘弁してください。