学生・院生だった頃は、教室員は教授の先生のお宅に年始回りに行った。あまりたくさんの人がお宅に押しかけるので、先生はたまらず、大学のそばの料亭の一室を借りて、皆の挨拶を受けた。もちろんお酒をご馳走になった。昔の大学の先生はお金持ちだったなあ。
 新設の医科大学に勤めていた時は、お正月には、同僚達と学長のお宅に年始回りに行った。お酒をご馳走になった。
 父が存命の時は実家に、父が亡くなった後は長兄の家に年始回りに行った。やっぱりお酒を飲んだ。
 年始回りに行った先の先生方も父も兄も、みんな亡くなってしまった。私は、いまポツンと、老人ホームで正月を迎えている。
 なんて思っていたら、息子とお嫁さんがやってきた。年始回りに来たのだと言った。車で来たので、酒を飲むことは出来ない。
 かみさんは、息子たちにミカンをやたらにすすめていた。かみさんは物忘れをするようになったが、いまのところは、すごくひどい状態ではない。
 こうして、私の今年のお正月は過ぎて行った。めでたさも中くらいかなあ。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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