探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「リュウグウ」の砂から、アミノ酸が20種類以上見つかったとニュースで聞いた。
 生物の体のタンパク質を構成するアミノ酸は、基本的には20種類だが、いろいろな修飾反応を受けた結果、種類はもっと多い。タンパク質を構成しないアミノ酸の種類は、さらにずっと多くて、おそらく数百種類あると思う。
 非酵素的な反応によっても、多種類のアミノ酸が出来る可能性は十分ある。だから、リュウグウの砂の中に20種類以上のアミノ酸が見つかったといっても、種類が多いことには、私はあまり驚かなかった。
 ヤフーニュースを見ているだけれど、私がびっくりしたのは(これはまったく私の個人的感想だけれど)報道の仕方だ。「・・・体内でつくることのできないイソロイシンやバリンなどを確認。コラーゲンの材料になるグリシンのほか、うまみ成分として知られるグルタミン酸もあったという。」
 「コラーゲンの材料となるグリシン」! 私はちょっとうれしくなった。「コラーゲンの材料となる」と書いてくれたことがうれしい。コラーゲンが、世の中でずいぶんメジャーな存在になった証拠だ。以前だったら、何の注釈もなく「コラーゲンの材料になるグリシン」なんて、書かないと思う。絶対に書かない。
 そういうわけで、リュウグウの砂のアミノ酸のニュースを見て、変なところで喜んでしまった。
 天の声「あんたは変だ」 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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