将棋の藤井聡太さんの勢いは止まらない。次から次へと、いろいろな記録を打ち立てている。すごい。
私は、将棋はぜんぜんダメだ。駒の動かし方を、知っているだけだ。将棋は、ふつう、子供の時に、お父さんやお祖父ちゃん、お兄さんなどから教わる。私のまわりに、そういう人がいなかったからというのが、私の言い訳だが、本当は頭脳の問題であることはわかっている。
昔、小学校の一年生か二年生ぐらいで、将棋が強い子に出会ったことがある。その子は、将棋盤が無くても、将棋が指せた。頭の中に、将棋盤が備わっているのだ。すごいなあと思った。もちろん、藤井さんは、その子とは、けた違いにすごい頭脳を持っているはずだ。
それでも、私は将棋に興味があったので、戦争が終わってまもなくのころの、将棋のヒーローたちのことを覚えている。まだ子供だったから、正確な知識とは言えないけれど。
木村義雄さんという方が、ずっと名人として君臨していた。すごく強かったらしい。そうしたら、終戦後、升田幸三さんという若い人が彗星のように現れ、木村名人を破ってしまった。みんな驚いた。しかも、升田さんの棋風は、自由奔放。
升田さんの兄弟弟子に大山康晴さんがいた。この人は、はじめは木村名人になかなか勝てなかったけれど、升田さんには勝った。いわば、三すくみのような状態になった。
やがて、大山さんは、升田さんにも勝ち、それから長い間、名人をはじめ様々なタイトルをとって、王者として君臨した。
勝負事は、将棋に限らず、人を興奮させる。なぜだろう。
私に文才があれば、面白く、講談のように語ることができるのだけれど・・・
天の声「あんたには無理だ」