先日、政府の専門調査機関が、10兆円規模の「大学ファンド」についての案をまとめたとラジオが報じた。このファンドの運用益で研究を支援する大学のことを「国際卓越研究大学」と呼ぶそうである。うぁ、なんとも大げさな名前だ。
私が正確に理解できているか自信がないのだけれども、おおよそ次にようなプランのようだ。
10兆円のファンドの運用で、年に3000億円の運用益を生み出す。それをまず数校に配分する。配分された大学は、年3%の事業成長を図り、世界の優秀な博士課程の学生を獲得し、世界のトップレベルの研究者の集まる研究領域を創生し、育成する。
対象に選ばれた大学は、学外者も入る「戦略会議」を設置し、外部に意見も反映されなければならない・・・
こんなことで、国際的に卓越した研究が生まれるのだろうか?
私は優れた研究は、研究者が自分の知的好奇心によって自由に研究する中から生まれてくるものだと思う。優れた研究の生まれる確率は高くはない。裾野を広くしておく必要がある。そうすれば、その中からよい研究が生まれてくる。だから、全国の研究者に研究費としてばらまいた方がいい。
そして言いたいのは、その研究が優れたものかどうかは簡単にはわからないということだ。研究の評価は難しいし、時間がかかる。何十年もかかることがある。実際、ノーべル賞受賞の研究だって、30年前とか50年前の研究成果のことがよくある。
日本が科学立国を目指すなら、考えて欲しい。
天の声「今日はやたら真面目だな」