老人が増え、介護を要する老人も増えた。一方、介護する人は不足しているという。そこで、当然、最近のテクノロジーを使って、介護を補助する機器がいろいろ開発されている。
たとえば、排せつを感知するセンサー付きのマット。要介護の人の体の下に敷いておく。排せつがあると、センサーが感知する。そして、発信機がついているので、介護の人に、知らせてくれるという。
では、もっと自動化したらどうか。たとえば、吸引装置を、体に取り付けて、排せつがおきたら、自動的に吸引して、処理してしまったらどうか。
この方が楽でいいかなと思ったら、そうでもないらしい。実際にそういう機器がつくられたが、人気がなかったという。
介護する人のこころの問題がある。あまり自動化してしまうと、「介護」にならない。大変でも、「介護する」のが、いいのだそうだ。そこが、介護という仕事の原点らしい。
だから、介護される老人は、世話をかけてもいいのだ。世話をしてもらうのがいいのだ。
わが老人ホーム「ポムポム川の辺」を見ていると、そうかもしれないと思う。介護される人と、介護する人が、にぎやかに談笑しているのをよく見かける。
私は要介護でない。介護士さんは、ぜんぜん寄りつかない。
天の声「こむずかしい人間には寄りつかないよ」