新型コロナウイルス感染が広がりだしたころ、対策として「三密」を避けなさいと言われた。三密とは、密集・密閉・密接である。あの頃は、誰でも知っていた。
先日、あるラジオ番組で、通行人に三密とは何かを質問していた。そうしたら、案外正解する人が少なかった。密告とか密会とか密通とか答える人がいて、笑ってしまった。忘れてしまっている人が多いのだ。
私なら密室と答えたかもしれない。密室殺人、つまり人が出入りできないように見える部屋でおきる殺人は、推理小説の大きなテーマだ。たくさんの作家が、そのトリックに挑戦してきた。中にはディクソン・カーのように、密室殺人の小説に凝り固まった作家もいた。
「みっ」つながりで言うと、昔、ミッション・インポシブルというテレビドラマがあった。日本ではスパイ大作戦というタイトルで放送された。これはとても面白かった。「このテープは自動的に消滅する」というセリフが流行ったものだ。
ところがその後、ミッション・インポシブルという映画が作られた。この映画はとても人気があったらしいが、私は好きになれなかった。主演のトム・クルーズには、とても緻密な作戦をやり遂げる頭脳があるとは見えなかったからだ。ミスキャストだ。
天の声「トム・クルーズ・ファンに怒られるぞ」