先日、日本の新ロケットの打ち上げが失敗に終わった。関係者が沈痛な顔で、お詫びの会見を行っていた。巨額のお金をつぎ込んだのに失敗はつらいし、風当たりが強いだろう。ビッグプロジェクトは成功すれば華々しいけれど、失敗すると大変だ。
サイエンスの実験には失敗がつきものである。失敗するのが普通だ。そのたびにがっかりしていてはしょうがない。「失敗は成功のもと」である。
とはいうものの、ビッグプロジェクトは別だ。正確にどのくらいのお金がかかったのか知らないが、多分1000億円以上だろう。1000億円といえば、10万に人の研究者に100万円ずつ配れる額である。「何に使ってもいい」と言われてポンと100万円くれたら、大抵の研究者はうれしい。そしてきっとそこから、なにか面白い研究が生まれると思う。
今回のロケットの打ち上げ失敗で、「今の日本の科学水準が低下している」と嘆く声もある。たった1回の失敗でそこまで言うのはどうかなあ。「日本が基礎科学を重視してこなかった結果だ」という声もある。これにはうなずいてしまう。コロナワクチンの開発でもうまくいかなかったし、論文数のランキングも落ちている。せっかく勉強して博士号をとったのに、就職先のない若者も多い。
基礎科学をもっと重視して欲しい。