ミノムシは、ミノガ科のガの幼虫である。樹木の枝や葉を糸で綴って袋をつくり、その中に住む。袋は丈夫で、財布の材料に使ったりする。
小さく切った色紙の中でミノムシを飼うと、極彩色の蓑をつくる。
昔は「ちちよちちよ」と哀れげに鳴くと言われたそうだが、本当は鳴かない。
ミノムシは「鬼の捨て子」「鬼の子」などとも呼ばれる。親が子供にみすぼらしい服を着せたまま、置いて行ってしまったというイメージらしい。
また、秋風に吹かれているミノムシには、俳諧的な雰囲気があるというので、「蓑虫鳴く」という季語になり、俳人に好まれているそうだ。俳句の本を見るとミノムシの句はたくさんある。
蓑虫の父よと鳴きて母もなし 高浜虚子
蓑虫にうすうす目鼻ありにけり 波多野爽波
蓑虫のましたまっすぐしんのやみ 松澤昭
蓑虫やくれなむとして山やさし 山田みずえ