9月16日は敬老の日だった。日本には老人の数がすごく増えた。働いている老人も多いとニュースで聞いて、ぶらぶらしている老人の私は、なんだか肩身が狭い思いをした。
活躍している老人といえば、私はミス・マープルを思い浮かべた。架空の人物だけれど・・・
ミス・マープルはアガサ・クリスティのミステリー小説に登場する老嬢である。素晴らしい推理力を持っている。ミス・マープルが登場する小説は、いろいろ映像化されているが、私はジョアン・ヒクソンが演じるマープルが好きだ。
アガサ・クリスティはたくさんの傑作ミステリーを書いた。傑作を三つ上げろと言われれば、まず「アクロイド殺人事件」で、1926年の作品。それから「そして誰もいなくなった」、1939年の作品である。そしてマープルの活躍する「予告殺人」。これは1950年、つまりクリスティが60歳近くなったころの作品である。
たいていの作家は、処女作など初期に傑作を書き、だんだんダメになる。しかしクリスティは違う。ずーと傑作を書き続けた。本当にすごいと思う。