先日ラジオを聞いていたら、「マザー・グース」という言葉が耳に入った。よく聞くと、ハンガリー産の羽毛布団の宣伝だった。
マザー・グースは、イギリスやアメリカの家庭で親しまれている、イギリスの伝承童謡の総称である。18世紀に出版された童謡集 Mother Goose’s Melody に由来している。遊び歌、数え歌、早口言葉などが含まれているそうだ。
マザー・グースと聞いて私が思い浮かべるのは、ミステリーだ。ヴァン・ダインの「僧正殺人事件」。マザーグースの童謡を模して連続殺人がおきる。名探偵フィロ・ヴァンスが、謎を解く。古典推理小説のベスト・テンに入る名作である。
童謡という幼い世界と残酷な殺人事件が絡むのがみそで、怖い。
フィロ・ヴァンスという探偵は大変博識で、貴族趣味の人物。アメリカ人だがヨーロッパで教育を受け、英国風のアクセントで英語を話す。気取って見えるが、実は孤独で鋭敏な性格に由来するのだそうだ。
こういう性格の人いるよなあ。