マカロニ・ウェスターンとはイタリア製の西部劇映画のことだ。アメリカではスパゲッティ・ウェスターンというらしい。1964年の「荒野の用心棒」がブームのきっかけになった。これは黒澤明監督の「用心棒」を翻案したものだった。レオーネが監督し、クリント・イーストウッドが主演した。
1972年までに400本以上も作られたそうである。マカロニ・ウェスターンの作品は、暴力的で派手な銃撃戦の連続。最後は機関銃で死体の山ができる。アメリカの西部劇のような、フロンティア・スピリットなど関係ない。もちろん、私は嫌いだ。大嫌いだった。だからクリント・イーストウッドも嫌いになった。
ジョン・フォードが多くの傑作・名作西部劇をつくった。そのあと、ジョン・スタージェスやアンソニー・マン、デルマー・デイヴィスらが、正統的な西部劇をつくった。しかし彼らの後はもはや絶滅状態。辛うじてその後を継いだのは、サム・ペキンパーだといわれている。
ペキンパーは「昼下がりに決闘」、「ワイルド・バンチ」などの監督である。見た目はマカロニ・ウェスターンのようで、死体の山が出来たり、血がドバッと噴き出たりするけれど、精神は正統派西部劇だという人がいる。
でも、やっぱり私は好きになれないなあ。