先日、プロ野球の中村剛也選手が、三振の最多記録をつくった。三振は不名誉なことに思われるけれど、新記録となるとたいしたことだ。スポーツ新聞の一面を飾ったそうだ。
 中村選手は、過去に6回もホームラン王に輝いていて、現役選手の中では、いちばんたくさんホームランを打っている。三振王であると同時にホームラン王である。
 中村選手が入団した時に、当時の監督さんは「三振していい。たまにホームラン打ってくれればいいさ」と言って育てたそうだ。ご本人も三振しても、全然がっかりしないらしい。
 研究の世界で、ホームランは何か、三振は何かと考えた。そして、昔ネットで見た記事を思い出した。若い研究者が書いたものらしい。その人に言わせると、引用回数が200以上の論文がホームランというのだ。
 引用回数が50以上でヒット、100以上で大ヒット、20で外野フライ、10で内野ゴロ、5以下は三振。へぇー、そんなものなんだ。
 昔は論文の引用回数なんか気にしなかった。いや、引用回数なんてわからなかったから気にしようがなかった。今では、検索すればすぐに引用回数がわかる。そうして評価される。厳しい世の中になったなあ。
 研究の世界でも、三振してもいいからホームランを狙うべきが、確実にヒットを稼いだ方がいいか、意見がいろいろあるところだ。またいつか、議論しましょう。
 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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