小さな女の子が、私の住んでいる老人ホームの廊下を歩いていた。よちよち歩いていた。その姿がすごく可愛い。
 私の隣でかみさんも、女の子のよちよち歩きをずうっと眺めていた。私たちの他にも、老人ホームの住人の何人もが、にこにこしながら見ていた。
 老人ホームに小さな子供が来ることはめったにない。小さな子供を見ているだけで癒される。老人ホームと保育園を併設したという話を聞いたことがあるが、よいアイディアだと思う。
 小さな子供だけではない。イヌやネコもそばにいると癒される。でも、老人ホームではそれは無理だ。動物が嫌いな人もいるからなあ。
 ロボットならどうだろうか? かみさんは即座に、ロボットなんて嫌いだと言った。
 かみさんは、あの小さい子供の歩き方を見て、「ペンギンみたいな歩き方だ」といった。言われてみるとそうだ。
 逆に言うと、ペンギンが可愛いのは、歩き方が小さな子供みたいだからかもしれない。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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