ファスト映画とは、映画のダイジェスト版らしい。2時間の映画を10分位にまとめてある。ファスト映画を違法にアップロードしたとして、映画会社から損害賠償請求された人たちがいるとニュースで知った。
10分のダイジェストを見て、映画を見た気分になり、友達とも話を合わせることができる。なるほど、お金も時間も節約になるわけだ。もちろん、これでは映画会社は儲からない。
いまは、忙しい世の中。映画に限らず、手軽な方法で済ませることが多くなってしまった。昔は、若者たちが、ロシア文学やフランス文学の長編小説に食らいついて読んだが、今はそんな人は少ないだろう。本もダイジェスト版ですませて、読んだ気になる。
学術論文もそうだ。論文の要旨を見てすませる。実は私はそうなってしまっている。
論文の要旨・抄録は、ネットでタダで見られる。
いま、出される論文の数はすごく多い。主要なジャーナルの論文は審査を通らないと出版されないが、いまは審査のないネットのジャーナルもあると聞いている。
論文の数は多くなるとともに、ほとんどの論文は、誰からも引用されず、無視されて消えていく。
それでも、論文をどんどん書かないと、研究費もポジションも得られない。大変な世の中なのだ。
天の声「あんたは隠居の身だから関係ない」