私は毎日ビールを飲む。本当は安い発泡酒なのだけれど、見栄を張ってビールと書くことにする。350mlを1缶飲む。
 ビールは、24缶入りの箱を二つ、アマゾンで買う。
 ビールが老人ホームに届くと、事務所から電話がかかってくる。「荷物が届きました。重いから、カ-トに乗せておきます」  
 職員の方が暇(?)な時は、私の部屋まで持ってきてくれる。女性スタッフがビール48缶の箱を持ち上げて、部屋の中の定位置に運んでくれたこともある。私は持ち上げられない。「金と力はなかりけり」だ。
 毎日1缶飲むので、一か月半ぐらいでなくなる。また注文しなければならない。
 注文するときには、いつも少しためらう。「48缶も買って、全部飲むまで、生きているかなあ・・・」と思ってしまう。
 夕食の時に、ビールの缶を開けながら、ああ、今日も何とか生きたなあと思う・・・ これは嘘だ。何も考えないで、冷えたビールをゴクゴク飲んでいる。
 天の声「幸せだな」

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

ビールの注文件のコメント

  1. なんとも羨ましい限り。
    イロオトコ「金と力はなかりけり」ひゅうひゅう!

    幸せってなにかしらん、とタリナイ頭でときどき考えたりもしますが、「何も考えないこと」という要素が大きい気もします。

    fj

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