ビッグバン・セオリーは、アメリカ製のテレビドラマである。コメディーだが、これがすごく面白い。
 主人公は4人の若い男性で、ゲーム・オタクである。私はゲームが好きでないし、よく知らないので、この点には興味がない。興味があるのは4人が科学者であることだ。理論物理学者、実験物理学者、天体物理学者そして工学技術者である。
 4人は変人である。とくに理論物理学者はスゴイ天才なのだが、スゴイ変人である。博識で、何にでも理窟をつける。女性には興味がない。あとの3人は女性に対して関心が強い。
 彼らの日常会話はすごい。難しい科学用語がポンポン飛び出してくる。ひも理論とか統一場理論とか。ジョークもこんな具合である。「陽子と電子と中性子がバーに行った。中性子だけがお金を請求されなかった。ノー・チャージだから」。 チャージには、電荷という意味がある。
 彼らは生物系ではないのだが、それでもエンドルフィンとか、ベータ遮断薬とか、難しい言葉も日常会話に出てくる。
 いったいどういう人たちがドラマを制作しているのだろうか、気になる。専門家がついているのだろうか。
 4人組は頭がよく、業績もあるので、変人とはいえ、大学内外の人たちから評価されている。しかしそれでも研究費の獲得には、いつも悩まされている。研究費が獲得できなければ、何にもできない。研究費は公的なもののほかに、民間人からの寄付による。それで、お金持ちにすり寄っていかなければならない。講演会とかラジオ出演とかで、名前を売ることも大事らしい。
 その際、肩書も大切である。工学技術者だけは、博士号を持っていないので、いつもその点でいじめられ
ている。
 このドラマは、1話がたった20分ぐらいで、ちょっと暇があるときに気楽にみられる。単にコミカルなだけでなく、アメリカの科学者の事情が垣間見られて、面白い。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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