私は、「スーツ」というテレビドラマを、このところ毎日見ている。アメリカのテレビドラマで、10年ぐらい前から最近まで制作されたものだ。人気があって、日本版も作られた。
舞台は、ニューヨークの大手の弁護士事務所。スーツには「訴訟」と「洋服のスーツ」の、ふたつの意味があるそうである。登場する弁護士さんたちは、超高級のスーツを着ている。洋服だけではない。オフィスも、自動車も、住んでいるマンションも、超高級。酒を楽しむ場所も、高級なバーやクラブ。出てくる女性は、みんなスタイルの良い美女。
ちなみに、イギリスの王子様と結婚したあのメーガンさんが、主役の一人として登場し、ラブシーンも演じている。
弁護士たちは、あらゆる戦術を使って、戦う。だましたり、脅したり、嘘をついたり、裏切ったりする。いやな奴ばかりで、もう見るのをやめようかといつも思う。
私が興味を持ったのは、”ハーバード大学”とのかかわりだ。
舞台となる弁護士事務所の弁護士は、全員、ハーバード大学のロースクールの卒業生である。代表さんから、下っ端の弁護士まで、全部、ハーバードのロースクール出身!そうでないと採用しない。
実は、一人だけハーバードを出ていない人がいて、経歴詐称をしている。このことが様々なトラブルを生むことになる。
では、ハーバード出身の事務所のメンバーたちは、みんな仲良しかというと、そうではない。競争し、いがみあい、にくみあい、だましあう。だけれど、他の大学出身の人のことはバカにしている。
弁護士の世界に、実際にこういうハーバード閥のようなものがあるのだろうか。そして、このドラマはそれを批判しているのだろうか。からかっているのだろうか。私にはわからない。
アメリカン・ドリームという言葉がある。私は、アメリカの社会では、才能と努力次第で成功でき、学歴は問題にならないと思っていた。このドラマを見ていると、大違いだ。そして、あまり愉快なことではない。
ドリームがこわされた。まあ、よその国のことだからいいけれど。
天の声「最後のひとことはよくない」