「ドカベン」などの野球漫画の作者、水島新司さんが亡くなられた。ドカベンのアニメを、子供の頃の息子が好きでよく見ていた。それで、私も付き合って見ていた。
個性的な人物がいろいろ登場した。いつも葉っぱを口にくわえている選手がいたなあ。
「あぶさん」という作品がある。私はよく知らないのだが、「景浦安武」という人物が主人公だそうだ。60歳で4割バッターになるという、とんでもない選手だという。私が関心があるのは「景浦」という姓だ。
終戦後、日本はアメリカに占領され、アメリカの文化がどっとやってきた。野球もそのひとつ。プロ野球が再開し、子供たちはファンになった。大和球士という人がいて、プロ野球のことをいろいろ紹介した。
そのひとつに、戦前の日本のプロ野球で活躍した景浦選手の話があった。タイガースの選手で、ジャイアンツの川上哲治さんと並ぶ強打者。豪快さでは、川上さんより上だったという。しかし、戦争で亡くなってしまった。
戦後の日本野球のスラッガーといえば、中西太さんがいる。名前のとおり、太った巨体で、ホームランをたくさん打った。バットをすごい勢いで振る。ファールチップがバックネットに飛んできたとき、摩擦熱で球が焦げ臭かったという新聞記者がいた。
その中西さんを評して、景浦選手の再来だという人がいて、逆に景浦選手はすごかったんだなと思った。
景浦選手が「あぶさん」の景浦のモデルになっているのかどうか、私は知らない。
野球のヒーローは次々入れ替わる。いまは大谷さんか。若い人は、景浦さんも中西さんも知らない。
天の声「諸行無常だ」