サプリメントのコラーゲンの原料として、よく使われるものにテラピアあるいはティラピアという魚がある。
30-50㎝の大きさの淡水魚で、原産地はアフリカだが、食用として世界各地に広まっている。日本ではチカダイ、イズミダイなどという名前で市場に出ているそうだ。
養殖もされている。温泉地のため池などで飼育されているようだ。高温に強く、成長が早い。刺身などで食べるのだが、その時不用の皮やウロコが、コラーゲンの原料として使われると聞いた。だから比較的安価である。
テラピアは高温でも育つ。前にこのブログでも書いたことがあるが、コラーゲンの変性温度と動物の生息環境には相関関係があることが知られている。マグロのような温かい海に住む魚のコラーゲンの変性温度は、冷たい水の中に住むヒラメやタラより高い。温血動物である哺乳類のコラーゲンも変性温度が高い。
そして、変性温度の高いコラーゲンのアミノ酸組成を調べると、プロリンやヒドロキシプロリンの含量が高い。
暖かい水の中に住むテラピアのコラーゲンを調べると、予想通り変性温度が高く、プロリン・ヒドロキシプロリン含量が高い。つまり、ウシやブタのコラーゲンと似ている。それがサプリメントとしてよいかどうかは議論のあるところだ。
ある人が、「こんな恐ろしい魚のコラーゲンを食べて大丈夫なの?」といった。その人はテラピアをピラニアと間違えていた。