テニュアとは、大学教員などの終身在職権のことである。アメリカの大学の教員には、教授(プロフェッサー)、アソシエート・プロフェッサー、アシスタント・プロフェッサーなどの階級がある。通例、アソシエート・プロフェッサーに昇格すると、テニュアを取得できる。それまでは期限付きの職だ。
私は、アマゾン・プライムで、「ビッグバン・セオリー」というシリーズのドラマを見ている。科学者たちが登場するコメディーで、昔、大学に勤めていた私には、興味深い。
舞台は、カリフォルニア工科大学。
ある老教授が亡くなった。そのとたんに、空席になったテニュア付きのポストにつこうと研究者たちの競争が始まる。友人同士がえげつなく争う。例えば、審査委員の名簿を手に入れて、訪問する。いや、懇願する・・・
ドラマだから大げさに作ってあるのだろうがすごい。でも、この競争心がアメリカの研究者のエネルギーのもとかもしれないと思った。
しかし、期限付きのポストでは、短期間で成果を出さねばならず、腰を据えた研究ができにくい。ストレスも大きい。
私が勤めていたころは、日本の大学には期限付きの職は、ほとんどなかった。今は増えたそうだ。それが吉と出るか凶と出るか・・・