いまは、プラスチックのゴミが大問題になっている。プラスチックのゴミは、微生物によって分解されないから、川や海にたまってしまう。始末が悪い。
大昔、私が子供の頃には、今のようなプラスチックはなかった。似たようなものとしては、セルロイドがあった。いろいろな文房具やおもちゃがセルロイドでつくられていた。
セルロイドの主成分は、ニトロセルロースである。セルロイドの特徴というか欠点は、燃えやすいこと。およそ90℃で発火してしまう。セルロイドでつくったお面が燃えて、子供が顔に大けがをしたことがあったらしい。それから、親はセルロイドのお面は買ってくれなかった。
いまのプラスチックは石油製品である。セルロイドのように簡単には燃えない。私が大学の化学科を卒業したころは、プラスチック産業の勃興期だった。ある同級生は、石油化学の会社に入り、プラスチック生産の大規模な工場の立ち上げに参画していると、自慢げに話をしていた。
ちなみに、プラスチック plastic というのは、「可塑性の」、つまり、「思い通りに形をつくることができる」という意味の形容詞である。物を指すときはプラスチックス plastics と言わなければ正しくないと、講義で教わった。
天の声「どっちみち、略せばプラだ」