昔、東京農工大学を定年になり、ある私立大学に勤務することになった。健康診断書がいるというので、近くの内科の医院に行った。
血液検査をしてもらったら、コレステロール値が高いという。「これはいけない。薬を飲みなさい」と言われ、スタチンを処方された。
私は、毎日薬を飲むのが嫌なので、「スタチンは、家族性の高コレステロール症には効果があるし、若くて太った人にも効果はあるが、私のように年寄りでやせた人に対しては効果は証明されていない。だから、飲みたくない」といった。
これは、どこかで読んだか聞いた話の受け売りだった。
ふつうは患者がこんなことを言うと、生意気な奴だと不愉快に思うところだけれど、先生は人格者だ。スタチンは飲まなくてよいことになったし、それからは私に一目置いてくれるようになった。かみさんは、先生の所に診察に行くと、私の話ばかりするといって、ひがんでいた。
それを聞いて、ちょっとうれしかった。
天の声「また自慢話か・・・」