終戦直後の大混乱していた日本において、理想の国といえばスイスだった。私が小学生高学年から中学生の頃の話である。日本はもう戦争をしたくない。そのお手本が永世中立国のスイスだった。
スイスは1815年以来、永世中立国になった。そして国際的地位が高い。たくさんの国際機関の本部がスイスに置かれている。たとえば、国際赤十字とか国際労働機関とか。
その上、スイスはお金持ちの国だ。経済的に安定しているうえに、国際金融の上でも重要である。スイスの銀行は信用度が高い。世界の大金持ちは取引している。
しかし、永世中立国のスイスも、国際情勢の変化の中で少しずつ変わってきた。いや変わらざるをえなかったようだ。スイスは国連に加盟した。そうすると国連がきめたことに従わざるを得ない。完全な中立ではいられないことがおこる。
今回のロシアとウクライナの戦争でも、ロシアの経済制裁に加担することになった。もっとも他の国に較べると制裁の程度は緩いらしい。
ロシアのオルガルヒと呼ばれる大金持ちたちも、スイスの銀行と取引をしている。オルガルヒはプーチン大統領に影響力を持つという。スイスの銀行を介した制裁が、オルガルヒに影響をおよぼすと、プーチン大統領に戦争をやめるように圧力をかけてくれるかもしれない。
プーチンには、他の誰よりも、オルガルヒが言ってくれると、効果が期待出来るそうだ。
オルガルヒさん、お願いします。