アナウンサー出身の某氏は、相手にしばしば「それはよい質問です」という。私はそれを聞くとエラそうと思ってしまう。いわゆる、上から目線に感じてしまうけれど、これは質問者に対する挨拶・愛想かもしれない。
昔、私はいろいろな学会に出席したが、学会でも質問者に対して「それはよい質問です」という演者がいた。外国人の講演でも、「グッド・クエスチョン」という先生がいた。
私は質問をしてほめられたことがない。いや、質問をめったにしたことがない。
私も学会で研究の発表をしたが、質問されると、どぎまぎして答えるのに精いっぱい。「よい質問です」なんて相手をほめる余裕はなかった。
よい質問とはどんな質問だろう? ちょっと違う視点からのもので、演者や他の聴衆が考えもしなかった質問かな。あるいは、演者が言い残したことを引き出してくれる質問かな。
よい質問をするためには、講演を理解し、問題点をすばやく見つけなければならない。やっぱりそんな質問ができる人はえらい。
先日、ラジオで、AIが「よい質問」をつくってくれると聞いた。そんな時代がやってきた。