ラジオを聞いていたら、キリギリスはどうやって冬を過ごすのかというクイズを出していた。正解は、冬を越さず死んでしまうとのこと。秋にキリギリスはさかんに「ちょんぎいす」と鳴く。これは死ぬ前に子孫を残すため、オスがメスに存在をアピールしているのだ。はかない。
 松尾芭蕉の俳句にもキリギリスが出てくる。「むざんやな甲の下のきりぎりす」という有名な句である。昔のキリギリスは今のコオロギだそうだけれど。
 この句を見ると、私は横溝正史のミステリー「獄門島」を思い出す。
 以前、このブログで、英米で親しまれている童謡に沿って殺人事件が起こるというヴァン・ダインのミステリー「僧正殺人事件」の話をした。それから、アガサ・クリスティの名作「そして誰もいなくなった」も童謡殺人ミステリーだ。
 「獄門島」には、俳句「むざんやな甲の下のきりぎりす」が登場する。それが殺人事件の謎を解く重要なヒントになる。童謡の代わりに俳句! 獄門島は、「日本」の推理小説の名作である。

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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