このブログを本にする話が進行中である。ただし、昨今の出版事情から・・・つまり本が売れない時代なので、出版するとしたら、オンデマンド印刷になるだろうという話だ。
 オンデマンド印刷は、注文に応じて、少部数でも安価に印刷できるシステムである。コピー技術とコンピュータの進歩で、こんなことができるようになった。
 私の知っている本では、昨年末に出た「コラーゲン―ー基礎から応用」という本がオンデマンド・ブックである。この本は、大勢のコラーゲンの研究者が分担で執筆した専門書だ。日本の国内の研究者はもちろん、国外で活躍している日本人研究者も執筆している。コラーゲン研究のいろいろな方面での展開の様子を知ることができる。
 私は序文のようなものを書いた。序文のようなものという意味は、ふつうの序文にしては長いということである。4000字か5000字も書いたと思う。コラーゲン研究の歴史を踏まえて序文を書いてくれと、編集者の先生方からの依頼があったからだ。
 そこで、きわめて個人的な見方から、コラーゲンの研究の歩みについて書いた。
 そこでも書いたのだが、日本語の、「コラーゲン」と名のついた専門書が出版されるのは、久しぶりである。1970年代、80年代には、出版されていたのだが、その後はない。細胞外マトリックスという考え方が出てきて、コラーゲンはそのメンバーの一つという位置づけになってしまった。だから、専門書のタイトルからコラーゲンの名が消えてしまった。
 近年、コラーゲンは、健康補助食品や化粧品として人気が高まり、知名度は抜群になった。もはや、細胞外マトリックスの一員という位置づけでは済まされなくなったようだ。
 そして、この本の出版である。コラーゲンが主役に復活したようでうれしいと、私は書いた。
 執筆者も読者も、オンデマンド印刷だろうが、なかろうが、気にはしないと思う。ただただ、印刷技術の進歩に驚くばかりである。 

投稿者

コラーゲン博士

85歳の老人ホーム入居者 若いころは大学でコラーゲンの研究を行っていた

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