この間、NHK・FMラジオで、「サッチモ」の特集を一日中放送していた。私は、ほんのちょっとだけ、聞いたけれど、あらためて、すごいひとだなあと思った。
サッチモはルイ・アームストロングの愛称である。ルイ・アームストロングは、アメリカのトランペット奏者で、1900年に生まれて、1971年に亡くなった。1922年に楽団に参加し、それから、トランペットの第一人者として、活躍した。50-60年代には、世界各地を巡業し、すごい人気があったそうだ。
彼は、トランぺットを演奏するだけでなく、歌もうたった。独特のしゃがれ声で、それが実に素晴らしい。私が特に気に入っているのは、サッチモの歌う「聖者の行進」。
しゃがれ声の歌は、不思議な魅力がある。ハスキーボイスといわれ、それがセックスアピールだと評判の女性歌手もいた。
なぜしゃがれ声になるのかといえば、声帯の異常だろう。風邪をひいて、のどに炎症がおきれば、しゃがれ声になる。
もっとも、しゃがれ声といっても、いろいろな種類がある。乾いたかさかさ声、湿ったがらがら声、力のないよわいかすれ声などがある。
生化学者のM先生は、学界の大御所だったが、しゃがれ声だった。学会でのM先生の発言は、とても重みがあった。それは、声のせいかもしれない。あの独特の風貌のせいかも知れない。いや、発言の中身のせいかもしれない。大昔、私が、まだ若かった時のことだ。