政府は「かかりつけ医」に関する法律の整備を検討していると、ラジオのニュースで聞いた。かかりつけ医とは、患者さんの身近な日常的医療を担当し、相談に乗ったり、休日にも往診をしてくれる医者のことだそうだ。
我が国の医療制度は、新型コロナ感染流行によって、弱点が明らかになった。受診難民が続出するなど混乱したからだ。そこで整備しようというわけだが、医師会との調整が難航しているという。
かかりつけ医で思い出すのは、私が以前住んでいた街でお世話になったT先生である。私は定年になって、新しい大学に就職する際に必要な健康診断書を書いてもらいに行った。血液を調べると、コレステロール値が高い。先生は毎日薬を飲む必要があるといった。私は薬がいやなので、「その薬は、家族性高コレステロール血症や、40,50代の肥満した人には有効だという報告はあるが、私のようにやせた年寄りにはデータがない」といった。どこかで得た知識だった。
患者が知ったかぶりを言うと、不快に思う医者が多いけれど、T先生は面白がって、それから仲良くなった。心の広い先生だ。
老人ホームに引っ越してしまったので、もうT先生に診てもらうことは無くなってしまった。